協会の活動状況・会員からの寄稿
SYMPOSIUM_7

アメリカ・イスラム・中国  新政権の日本外交を語る
9・11から5年——激動の国際情勢を多角的に分析


 ありがとうございました。今の「良き世話役」という話で思い出したのが、東急グループ代表で日商会頭だった故・五島昇さんのことです。今の APEC(アジア太平洋経済協力会議)の元をつくった方で、最初は民間でアジア太平洋間の会議を始めて、それがのちに今日の経済閣僚会議・首脳会議になりました。
 その五島昇さんが、よく言っていたのが「良き世話役になれ」ということでした。彼の言葉でいうと、「徳利外交」と呼んでいました。宴会の幹事というのは、徳利(とっくり)を持って皆のところを廻って、人の話をよく聞いて、そうやって「アジアなら、アジア全体のことを知る」。そして皆が飲みすぎたら、黙ってお金を支払う——これが名幹事。逆にダメな幹事は、床の間を背負って、皆がお酌をしてくれるのを待って、威張って、酒を飲んでいるだけ。で、金が足りなくなると「 3 千円足りない!」などと、もう一回徴収する——これが悪い幹事だ、と言っていました。ただいまのお話しを聞いて、「良き世話役」とは非常にいい言葉だと改めて思いました。ありがとうございました。
 世界はさまざまな意味で困難な状況にあるが、今回の話で勇気づけられたことは、日本が過去の歴史の中でも中東やアジアで節目節目で大きな役割をはたしてきているということでした。その意味で今もまた、穏やかな自信をもって、中東・アジア・米露などとの間に積極的役割をつくり出す“創造的外交”を自ら仕掛けたらどうかということだったと思います。日本はまさにこれからだという志をもつことを今日のシンポジウムの意義にしたいと思います。


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2006年12月31日(掲載)
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