協会の活動状況・会員からの寄稿


最後のアレクセイ・スルタノフ記念コンサートを終えて


 標題の件について、アレクセイ・スルタノフ記念コンサート実行委員会担当者ほか数名(注1)よりいただきましたお便りをご紹介します。

(注1)このコンサートには7名の留学生(全員女性)が招待されましたが、彼女等はスルタノフの業績を日本で初めて知ったようです。そして、偉大な音楽家の業績に驚き、音楽を通して自国のよさを感じとりました。
(寄稿者:事務局)

 2009年東京文化会館でのコンサートを皮切りに、5年間の約束で、ウズベキスタンの生んだ天才ピアニスト、アレクセイ・スルタノフの記念コンサートを開いてきました。5年目の今年、満開の桜の下紀尾井ホールで素晴しいコンサートを開くことができました。
 紀尾井ホールは、スルタノフがショパンコンクール後来日し、爆発的な人気で、急遽追加公演まで開かれた思い出のホールです。この地と満開の桜へのダーツァ夫人の熱い思いに応えようと最後の会場として選びました。
 夫人の愛のチェロや、38.6℃の高熱を押して演奏する弟さんのピアノに感動の拍手が鳴り止みませんでした。
 長年支えてくれた観客から「コンサートを続けて」との声があったことも大きな喜びでした。
 また脳科学者の古屋晋一氏から、スルタノフの並外れた演奏能力を音楽生理学の見地から分析した文が寄せられ、その鋭いご指摘は、スルタノフの類稀な天才性を科学的に証明するものでした。ご両親からも、息子を忘れず日本で顕彰(けんしょう)し続けていることを喜ぶ文が寄せられました。
 今は約束を無事果たせたことに安堵しています。「彼の名を忘れないで」という目論見は、果たして成果があったかと空しさが残りますが、挫けず別な道で彼の名を残そうと努力する所存です。日本ウズベキスタン協会、駐日ウズベキスタン大使館の長年のご協力に感謝申し上げます。また会員の皆様には、感謝と共に今後ともご支援賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
(アレクセイ・スルタノフ記念コンサート実行委員会:鳴海 和子)

《以下は留学生からの寄稿です(原文のまま)》

 私は、昨年に続いて今年もコンサートに参加することができました。このコンサートが恒例の行事になっていることを嬉しく思います。プロの演奏家たちの演奏を聴くことができて大変嬉しく思います。素晴しい演奏は聴く人の胸をときめかせてくれます。
(早稲田大学大学院修士課程:グザル)

 アレクセイ・スルタノフ記念コンサートに去年も今年も招待していただき、感謝いたします。どうもありがとうございます。このコンサートがきっかけでウズベキスタン出身の優れたピアニストアレクセイ・スルタノフについて知ることができました。
 普段は、いろいろな意味でコンサートへ行く余裕がなくて、なかなか聞くチャンスもないです。
 今回は、アレクセイ・スルタノフ記念コンサートは最後であったと聞いていました。それの関連もあるでしょうが、今回はより格別なコンサートでした。
 今回のコンサートはアレクセイ・スルタノフ人気が絶頂だった時の思い出の紀尾井ホールで行われました。大きなホールの正面にウズベキスタンと日本の旗が掲げられていたので、うれしく思いました。
 今回はアレクセイ・スルタノフが日本でのコンサートの際に弾いていたというピアノが使用されていたのです。アイリン・フンメル様や第8回浜松コンクールに入賞されたキム・ジュン様の演奏も、興味深く鑑賞いたしました。
 コンサート終了後、帰りの桜並木の夜桜も格別に感じられました。
(明治大学大学院博士課程:グルノザ)
2013年05月03日(新規掲載)

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