予想されていたように、ヴァンフォーレ甲府からの長身のハーフナーマイク選手の活躍で引き分けに済んで、日本人としては、冷や冷やの連続の試合あったようです。
JICAのSV(シニア・ボランティア)の任務を終了し帰国してるタシケントで活躍したOB、OG仲間からも、TVで応援をするのでスタジアムから応援をするように熱い檄をもらっての観戦でもありました。
スタジアムは試合が始まる前からかなり盛り上がり、初めの10分で先手を取ってからは、もうウズベク人は戦勝ムードでスタジアムがうねりかえっており、「ウズベク必勝」と全員が心に決めていたようです。
日本から来ているサポーターを尻目にウズベキスタンの楽勝のムードで終わるはずでした。しかし、香川、長谷部、マイクの残り時間20分での同点に、スタジアムがいきなり「シーン」となり、ウズベク人のその落差に、観戦をしていた日本人があっけにとられた様子はスポーツ観戦ならではの醍醐味でもあったのです。
試合前のゲートの近辺で7〜8人の男が「カルナイ」という楽器を元気よく吹き鳴らしていましたが、彼らもがっかりしたでしょうか? ウズベキスタンや中央アジア一帯で結婚式やフォーマルの儀式に演奏されるカルナイは、一説では5000年の歴史のある楽器とのことであり、近代音楽からみると、リズムも音階も音律もどうなっているのか大変興味ある楽器です。おそらく我々の知っている楽譜がなくて演奏しているようです。
日本の野球場等とは異なり、スタジアム内を飲み物を売り歩く少年はまったくなく、多くの観客が持参した食べものや飲み物をしんみりと飲み干している姿は何ともいえず異様でもあり、純粋にスポーツを楽しむ習慣があるのかとも思いを巡らす光景もありました。
試合が始まる前の昼下がりに、日本チームの滞在するホテルに行き、無謀にもインタビィーを試みましたが、「すいませんが、一切御断りをお願いしております」とのこと!! 少しばかり、びっくりした様子でしたが、日本チームのスタッフのこの声の弾みのある応答にも、「今の青春をサーカーにかけている情熱」伝わってきましたので、インタビュー申し込みを試みたことは良かったとおもいます。
日本の若者が堂々と世界で活躍できる時代は成ってきていることは確かであり、日本がこのような国になれたのは「礼儀正しさ」を民衆の力に変えてしまったからなのであろうか? そんな発想を頂いた観戦でした。
(以 上)
(寄稿者:
萩原 孝信(在Tashkent)新規ビジネス創生コンサルタント)
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