|
|
上海万博 ウズベキスタン・パビリオン視察記
|
2010年5月31日(月)この日の入場者総数は32万2千人で比較的空いていた。
ウズベキスタン館は亜州(アジア・アフリカ)地区で日本館の斜め向かい。外壁は青と緑のタイル貼り。玄関を入ると、民族衣装を着けた男女4人のマネキンが目を引く。
広大なホールには、中央に噴水をしつらえ、天井は星空のイルミネーション。壁の大スクリーンに、小学校の教室風景、パソコン授業の模様、「世界文明の十字路」と題して世界各国から乗り入れる旅客機と高速道路を走る自動車。45℃に達する夏を冷やす100箇所の各種噴水、雪山風景。イスラム教、ロシア正教、仏教の共存。国土開発と経済発展に陣頭指揮を執るカリモフ大統領の現場写真がひときわ目立つ。そして伝統民俗、出土品、工芸品の数々。古代から現代に至る史料も豊富で、古いものと近代化の現況を広いホール1室にうまく展示している。一方、観光地の写真や民衆の暮らしの模様もふんだんに並べてあった。
出口では工芸品の展示即売、ナンの販売をしていた。道を隔てて隣は一回り大きいカザフスタン館。少し離れてキルギス館が準備中であった。
観客は中国人が大半で、30分待ちの行列だった。どのパビリオンも車いすならフリーパスで入れるので、並ばずに車いすを押す家族が何人も一緒に入って行く。日本館は3時間待ち、中国館は予約券がないと入れない。予約券を持っていても2時間以上の行列が取り巻いていた。
主催国中国の中央アジア諸国に対する姿勢は、アフリカ諸国に対するのに比べるとそれほど力が入っていない印象であった。アフリカ地区には万博出展に対しかなりの援助または特例措置が取られている。例えば北アフリカのモロッコ館では、禁止されているはずの国旗掲揚が許され、中国の五星紅旗と並んで玄関前の2本のポールにひらめいていた。同じ赤地に星というデザインが似ているのも特例の一因か。同国の大理石3階建てパビリオンは愛知万博出展当時より豪勢だった。
上海万博の入場料は、愛知万博に比べると格段に安く、当日券の10〜19歳が160元(約2,400円)、16〜21歳の学生は90元(約1,350円)、1950年以前生まれの高齢者は100元(1,500円)であった。これまでに開かれたEXPOの中では最も安い入場料であろう。それが7千万人動員の促進剤になっているようだった。
(寄稿者:松永 太)
【追記】ほかにも、会員の鈴木重彦さんから以下のような報告が届いています。
6月5〜8日(土〜火曜日)に、上海に行って来ました(通算5回目)。7日(月)午後に上海万博も見に行きました。
中国館や日本館、米国館や英国館、フランス館やドイツ館などは3時間待ちですが、ウズベキスタン館は5〜10分待ちで入れます。
会場は朝8時の新宿駅程度の混雑ぶりで、日本と違って向こうは人がどんどんぶつかって来るので要注意です。
また、ボランティア説明員や警備員は英語も日本語もほとんど話せません。中国語会話能力または中国語を話せる同行者が必要です。 |
2010年08月06日(新規掲載) |
|