○ 現在、キルギス共和国は大変困難な状況にあります。6月16日付で、キルギス外務省より小生(キルギス大統領経済顧問、日本・キルギス交流協会理事長兼務)宛に添付の「臨時政府からの国際アピール」が届きましたので、ご参考までに仮訳(研究所・相澤)にてお届けします。
※ 田中所長の解説文の後に掲載しています
○ 4月6日の「第2革命」によってバキエフ第代大統領が追放・亡命した後、6月10日〜11日に南部のオッシュ、ジャララバードを中心にキルギス族とウズベク族の民族衝突に発展、数百人の犠牲者と40万人と言われる難民が発生しました。
○ 6月27日のレファレンダム<国民投票>によって、新憲法の採択、臨時大統領の信任が行われ、平和と安定の回復に一歩踏み出したと見ることもできますが、国内政治の対立構造と民族対立の根深さは簡単なものではありません。国際社会のキルギス情勢理解と具体的な支援は不可欠です。
○ このアピールは「民族衝突の拡大」と「国民投票」の間に書かれたものですが、そのほとんどは今回臨時大統領として信任された小生の古い知己でもある「ローザ・オトゥンバエワ元外相」の手になるものと思われます。政変と混乱の複雑性と臨時政権の覚悟が読み取れると思います。
(寄稿者:田中 哲二(中央アジア・コーカサス研究所所長)) |