このたび東芝国際交流財団より「歌舞伎公演」と「二つの特別展内覧会」の招待券をいただき、留学生達と「日本文化」を堪能しましたのでご報告いたします。
□■ 歌舞伎「応挙の幽霊」鑑賞 □■□■□■□■□■□■□■□■□■
日 時:7 月 5 日(土)
会 場:シアター 1010(東京都足立区北千住)
「歌舞伎をもっと身近に楽しんでもらおう。訓練した者なら誰でも演じることのできる歌舞伎をお届けする」ために、NPO 日本伝統芸能振興会が主催した公演に、オゾダ、サルドル、ジュルドゥズさんたちと鑑賞しました。
三部からなるこの公演は、「第一部/ワークショップ」で舞台上で役者さんが「白塗り」「着付け」「かつらを身につける」過程を見せます。
「第二部/操り三番叟」では、その役者さんが「第二部/操り三番叟」で操り人形になって人形箱から飛び出し、踊り出して客席を沸かせます。 いよいよ「第三部/応挙の幽霊」では、大衆演劇の第一人者沢竜二、テレビでお馴染みの沢口良子、日本舞踊家西川扇与一の三人が長い時間稽古を重ね歌舞伎様式を身につけ、酒癖の悪い美人幽霊と商売上手な骨董屋、そして人のよい金持ちの若旦那となってドタバタで滑稽な一夜の出来事を演じます。
今回の公演はセリフもわかりやすく、留学生たちも(謙遜して)「50 %わかりました。」とのこと。 出演者に「帰国間近の留学生と是非写真撮影を!」とお願いしたところ、快く便宜を図っていただき、みな大喜びでした。(事務局:永峯 和恵)
★ 感想文
今回初めて歌舞伎を鑑賞する機会に恵まれ、事前に歌舞伎について色々調べたことで、とても勉強になりました。
歌舞伎は日本の伝統舞台で約 400 年の歴史があると知りました。また、今回の演目は絵の中から出た幽霊の話で、外国人にとっても分かりやすい歌舞伎だったと思います。私には内容が理解できないところがありましたが。見ていて楽しかったです。動作の意味が分かるようになればもっと楽しく観賞できたと思います。
私にとって今回楽しかった事が二つありました。
一つ目は開演の前、男の人が化粧をし、衣装を付けるところを見せてくださったところ。二つ目は私達外国人 3 人が終わった後に歌舞伎の人がいっしょに写真を撮ってくださったことです。 歌舞伎を見て、少しでも日本の文化が分かるようになったと思います。
(サイダフメドヴァ・ムカラム(筑波大学、語学研修生))
□■ 「二つの特別展」を見学 □■□■□■□■□■□■□■□■□■
日 時:7 月 25 日(金)午後 4 時
会 場:東京国立博物館
先日、「特別展『フランスが夢見た日本』」と「『対決、巨匠たちの日本美術』特別内覧会」をご案内したところ、会員関係 6 名及び留学生関係 6 名の希望者がありました。これまで「歌舞伎」「能楽」などの企画には多くの留学生が参加してくれましたが、はたして絵画展にどのくらいの反応があるのか心配でした。
ところが 6 名の留学生から応募があり、とても嬉しかったです。
「フランスが夢見た日本」では、浮世絵が印象派のみならずフランス陶器にまで北斎や広重の版画が影響を与えたということで、元となった日本の版画も展示されていたので、私たち日本人にも興味深かったです。タシケントの「ウズベキスタン美術館」に展示されている日本の浮世絵とチョッと趣が違う世界のようでした。 また、「対決、巨匠たちの日本美術」は超豪華な特別展で、鎌倉・室町期の作品など、留学生たちにとって初めて「対決」する日本の巨匠たちだったのではないでしょうか。参加者の中には「僕たちの学ぶ日本史は、明治からなんですよね。」と戸惑い気味の声も。 気がつくと、大学で美術を専攻したというナシバさんは運慶や快慶の「地蔵菩薩像」の美しい衣の流れを持っている小さなスケッチ帖にさらさらと描いていました。
この日、私たち会員にとっても、留学生にとっても暑さを吹き飛ばすような「刺激」を与えてくれたようです。
(事務局:永峯 和恵)
★ 絵画展の感想
先日、招待券にて巨匠たちの日本美術を見に行きました。
以前より応挙に注目しており、この催しを知っておりましたので、協会よりメールがあったのですぐ申し込みました。思いもかけない素晴らしい催しで近来ない感激でした。応挙は無論のこと、赤楽、黒楽の素晴らしさ、楽の茶碗が好きな方は必見です。
巨匠たちを対比させたことも趣があり、それぞれの感性で好きな作品を見つけ互いに議論することも楽しいひと時でした。巨匠たちの激情やたぐいまれな才能を感じ興奮したまま帰りましたが、今でも好きな作品が目に浮かびます。これは日本人として是非観ていただきたい展覧会です。
(会員:立川裕子)
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